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回転機械モニタリングの基本と自分で構築する際の準備

回転機械モニタリングの基本と自分で構築する際の準備

回転機械モニタリングの基本とは?自分で構築する際の準備について

回転機械は常に稼働し続けることが求められる一方で、経年劣化や異常による故障のリスクも抱えています。回転機械の突発的な故障は生産・供給の停止を発生させ、関連する機械設備まで影響します。
このような事態を避けるためには、設備ラインの2重化、予防整備保全等を検討する必要があります。予防保全の手段の1つとして、回転機械の状態をモニタリングし、異常の兆候を早期に検知することが重要となります。
回転機械モニタリングシステムは専門業者に導入を依頼する方法もありますが、

  • 高価なうえに機能が多岐にわたり、機能を有効に活用できない

  • 導入したのはよいが異常が発生せず、装置が形骸化してしまっている


等の事象が多く見受けられます。

基本的な構成要素を組み合わせることで、比較的に低価格で自ら構築することも可能であるため、お客様のニーズに応じた機器構成ができるように、回転機械モニタリングの基本と自分で構築する際の準備についてご紹介します。

回転機械モニタリングの基本

回転機械の状態を把握し、異常の兆候をいち早く捉えるためには、振動・温度の計測が非常に重要です。回転機械の基本は、以下のとおりです。

振動とは何か?

回転機械において、振動は避けては通れない現象です。回転機械は軸受や歯車など、様々な部品が組み合わさって動作しています。これらの部品が回転したり、往復運動したりする際に、必ず機器に応じた振動が発生します。

振動は、以下の要素で表すことができます。

回転機械モニタリングの基本
  • 振幅:振動の大きさ

  • 周波数:振動の速さ

  • 位相:振動のタイミング

  • 振動の種類:変位・速度・加速度

  • 運転圧力等の要素:内部圧力の大小で振動値が異なります


これらの要素を分析することで、振動の原因や影響を特定できます。
回転機械の振動は、必ずしも悪いものだけではありません。正常な状態でも、ある程度の振動は発生します。しかし、軸受の摩耗や部品の緩みなどが発生すると、振動の大きさやパターンが変化します。これらの変化を早期に検知し、適切な対策を施すことが、回転機械の安定稼働、ひいては工場全体の生産性向上につながります。

振動計測の重要性

回転機械の運転状態を把握するうえで、振動計測は非常に重要です。振動計測を行うことで、以下のようなメリットがあります。

◆異常の早期発見
振動の変化からベアリングの摩耗や軸のずれ、ごみの付着によるアンバランスの発生など、初期段階の異常を発見できます。

◆設備の長寿命化
早期に異常を発見し、適切な対策を講じることで、設備の長寿命化につながります。
通常と異なる信号を捉えることが重要ではあるものの、異常であると判断するための評価基準を特定してゆくことが当該装置の要となります。
異常の早期検知も重要ではありますが“異常でもないにもかかわらず、異常であると評価・判断し、逆に生産性を低下させてしまう”という、本末転倒の運用となる危険性を孕んでいることを申し上げておきます。

◆保全コストの削減
状態基準保全(CBM)を実施することで計画外の停止を減らし、保全コストを削減できます。

◆安全性の向上
異常の兆候を早期に把握することで重大な事故を未然に防ぎ、安全性を向上させることができます。
上記に記載したような、過剰な異常評価を行わないためにも、データの蓄積は継続しつつ、現場側での点検・記録業務は行わない運用を構築することが重要であると考えており、このことを踏まえたうえで、日設機電検収技術合同会社では、安全性と省力化の両立を目指しています。振動計測によるデータ活用を通じて、効率的で実効性のある運用体制の構築をご提案しています。


回転機械は、わずかな不具合であってもそれが大きな事故につながる可能性があります。振動計測は、そうした事態を未然に防ぐための重要な手段といえるでしょう。
例えば、ポンプやブロワーなどの回転機では、ベアリングの故障は設備の停止に直結する重大な問題です。このような突発的な故障を避けて計画的にメンテナンスを行うためには、運転中に潤滑の状態や傷の有無など、ベアリングの状態を診断する必要があります。
このように、振動計測は回転機械の安定稼働に欠かせない要素であるといえるでしょう。

モニタリングシステム構築の準備

回転機械のモニタリングシステムを自分で構築するにあたり、事前の準備は非常に重要です。準備段階でしっかりと検討しておくべき項目をご紹介します。

目的の明確化:何を監視したいのか?

回転機械のモニタリングシステムを構築するにあたって、まず「何を監視したいのか」を明確にする必要があります。一口に「監視」といっても目的は多岐にわたります。大きく分けると、以下の4つが考えられます。

モニタリングシステム構築の準備

◆通常状態の把握(運転特性を把握する)
該当する回転機械が通常どのような値を取り得るのか、把握することが重要です。

◆異常の早期発見
機械の故障の兆候をいち早く捉え、重大な事故や長期間の操業停止を未然に防ぐことを目的とします。
正常な値から外れた値を取る場合に“異常”として判断します。このときに“どの程度までを異常として判断するか”が、運用の要となります。これを、試行的・実験的に構築してゆくことになります。

◆設備の長寿命化
機械の状態を把握し、適切なメンテナンスを実施することで設備の寿命を延ばすことを目的とします。
定期整備の計画についても、モニタリングの結果をもとに定期周期を伸ばす提言を行うなど、コスト削減にも繋げてゆく要素があります。

◆保全コストの削減
状態にもとづいたメンテナンスを実施することで過剰なメンテナンスや部品交換を減らし、コスト削減を図ることを目的とします。

これらの目的を達成するためには、それぞれ適切な監視項目を設定する必要があります。例えば、異常の早期発見を目的とするならば振動や温度、運転圧力などの変化をリアルタイムで監視することが重要になります。
(監視自体は簡易データロガー等の機械に任せ、監視業務・記録業務は行わない方針とはなりますが)設備の長寿命化には稼働時間や負荷状態を把握し、適切なタイミングでメンテナンスを行う計画を立てることが必要です。保全コストの削減には部品の劣化状況を把握し、必要最低限の交換で済むように管理することが重要になります。

回転機械のモニタリングでは、一般的に以下のような項目を計測します。

◆振動
振動センサを用いて、機械の振動変位、振動速度や振動加速度を計測します。回転周波数成分や軸受部の振動など、様々な測定ポイントがあります。

◆温度
温度センサを用いて、軸受や機械本体の温度を計測します。異常な温度上昇は、軸受の摩耗や潤滑不良などの兆候を示している可能性があります。

◆回転数
回転速度センサを用いて、機械の回転数を計測します。回転数の異常は、機械の運転状態に問題があることを示している可能性があります。

◆運転圧力・流量・電流値
一般的に内部圧力が高いと振動値が高い傾向にあり、同一運転でも様々な運転圧力・流量を取る場合、振動値も応じた値に変化することになります。
異常と正常値を判定するためには、これら2次的要因も把握する必要があります。

これらの計測項目と測定に必要な精度は、対象とする機器の特性、運転条件、求められる信頼性などを考慮して決定する必要があります。

回転機械のモニタリングシステムを自分で構築する前に相談を

回転機械のモニタリングシステムを自分で構築したいと思っても「手順がわからない」「専門的なノウハウがない」など、お困りの方もいらっしゃるでしょう。

日設機電検収技術合同会社では、機械設備の運転データ(振動、温度、圧力、運転電流値等)のモニタリングを行い、故障・異常の予知診断、性能評価を行っております。
振動計測は「回転機械の振動」「装置本体の振動」「流体配管の脈動振動」の計測を行い、正常時のモデルデータを蓄積して異常現象検知システムの構築に活用します。

日設機電検収技術合同会社は、現場実験をベースに手作り志向のご提案をさせていただくメンテナンス会社です。まずは、お気軽にお問い合わせください。

携帯電話:090-2480-2677

e-mail:ma-uratsuka@h3.dion.ne.jp

担当 浦塚 (ウラツカ)

現場実験をベースに手作り志向のご提案をさせていただくメンテナンス会社です。

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