日設機電検収技術合同会社
無記録化|回転機械・運転データの簡易モニタリングでリスク・業務負担を低減※1

【無記録化】回転機械の簡易モニタリングによるリスク・記録業務低減効果は?※2システム導入のポイントは?※3
製造業をはじめとする様々な産業において、回転機械は欠かせない設備です。これらの機械は、製品の品質や生産性に直結するため、安定稼働が求められます。しかし、回転機械は経年劣化や過負荷などによって、予期せぬ不具合や故障が発生するリスクも抱えています。このような事態を避けるために、回転機械の状態を常時監視するモニタリングの重要性が高まっています。
ただし、常時監視するためには仰々しい設備・システムの導入、また導入したのはいいが管理項目が煩雑になり余計な業務が増えてしまい“結局、何もしない“ということが、多いのではないかと思います。
こちらでは、極力記録をとらずにモニタリングによる異常兆候の監視を機器に任せ、異常発生時に警戒アラートを発報させることにより、警戒発報後の状況調査に充填を置いたリスク・管理・記録業務負担の低減効果、モニタリングシステム導入のポイントについてご紹介します。
モニタリングの無記録化を実現したいとお考えの方は、日設機電検収技術合同会社にご相談ください。
考え方の根底には“お客様と一緒に警戒システムを構築してゆく試行錯誤的なモニタリングである”ということを前提としております。
※1:手品のような予知機械は存在せず、予知するための基礎データをお客様自らが構築してゆき、それを簡易的な機器で実施してゆくことをサポートする)
※2:機械振動および表面温度の通常と異なる値の発生時に警戒アラートを発報させることにより、異常値の発生原因の追究をすることができる。
※3:簡易的な振動センサー・表面温度センサー・データロガーにより試行錯誤的に配置位置を組み合わせて実験的に設置を行ってみる(お客様自ら、実験的に実施してみることが重要)。
モニタリングによるリスク低減効果
回転機械のモニタリングは、リスクを低減し、安定稼働を実現するうえで非常に有効な手段です。主なリスク低減効果として、以下が挙げられます。
異常の予兆検知による重大事故リスクの低減
回転機械はその特性上、小さな異常が大きな事故につながる可能性があります。例えば、わずかな振動の増加を放置するとやがて軸受の破損、さらには機械全体の停止につながりかねません。

このような事態を避けるためには早期に異常の兆候を捉え、適切な対策を講じることが重要になります。
しかし、従来の定期的な目視点検や記録では見落としや記録忘れ、担当者による判断のばらつきなど、ヒューマンエラーのリスクがつきまといます。また、異常の兆候を数値化しにくい場合もあり、適切なタイミングで対策を講じられないケースも少なくありませんでした。
そこで注目されているのが、異常の兆候をより正確に捉え、記録する「予兆検知」です。これは、例えば温度変化を感知できるセンサーや、振動を数値化するセンサーなどを機械に設置することで異常の兆候を定量的に捉え、記録することを可能にします。これにより、担当者による判断のばらつきをなくし、適切なタイミングでメンテナンスを実施できるようになります。
重大な事故のリスクを大幅に低減できるだけでなく、経験や勘に頼らない効率的かつ精度の高い設備管理体制を構築できます。
ただし、センサーの数が多くなる・配線が多くなり通常の生産ラインが煩雑なることは避けなければならず「どの位置に少ないセンサーを取り付ければ、機械全体の状況を把握できるか」等について、試行錯誤的・実験的な運用は不可避となります。
改めて、お客様とともに最適なシステムの構築を行ってゆく業務であることを、付け加えておきます。
データ分析にもとづく予防保全によるリスク最小化
回転機械のモニタリングは、取得したデータの分析による予防保全にも役立ちます。従来の時間経過にもとづくメンテナンスでは、実際に劣化していなくても部品交換が必要になるケースがありました。しかし、モニタリングデータにもとづく予防保全では、機器の状態を把握し、適切なタイミングでメンテナンスを実施することが可能となります。
この予防保全によって得られるメリットとして、以下の点が挙げられます。
◆ダウンタイムの最小化
故障の予兆を捉えることで計画的なメンテナンスが可能となり、稼働停止時間を最小限に抑えられます。
また「予兆とはどういうものか」を、データからひも解くことができるといえます。
◆メンテナンスコストの削減
不要な部品交換を減らし、メンテナンス費用を最適化できます。
定期的な部品交換を行う機器に対しても、データより判断し実施回数を減らす材料にも活用できます。
◆機器の長寿命化
適切なメンテナンスにより機器の寿命を延ばし、設備投資の抑制につながります。
◆安全性の向上
異常を早期に検知することで重大事故を未然に防ぎ、安全な作業環境を確保します。
◆機械個々の特性を知ることができる
同一型式の機械でも、機械振動は異なる運転状態を示すものであり、このように、データ分析にもとづく予防保全は従来のメンテナンス方法と比較して、コスト削減・リスク低減・設備の長寿命化など、多くのメリットをもたらします。
モニタリングシステム導入のポイント
回転機械のモニタリングシステム導入を成功させるには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
目的の明確化
回転機械のモニタリングシステムを導入する目的は企業や現場によって様々ですが、まず何のために導入するのか、何を解決したいのかという目的を明確化することが重要です。
目的が曖昧なままでは最適なシステム選定ができず、期待する効果が得られない可能性があります。

回転機械のモニタリングシステム導入で解決したい課題には、以下のようなものが挙げられます。
◆人材不足
熟練技術者の高齢化や人手不足により、設備の点検や診断が十分に行えない
◆コスト削減
設備の突発停止による損失を最小限に抑えたい、保全コストを削減したい
◆設備の老朽化対策
老朽化した設備の延命化を図り、設備の長寿命化を実現したい
◆安全性の向上
設備の異常を早期に検知し、事故を未然に防ぎたい
◆環境負荷の低減
設備の稼働状況を把握し、省エネルギー化やCO2排出量削減につなげたい
◆生産性向上
設備の稼働率を高め、安定稼働による生産性の向上を図りたい
◆データ活用
取得したデータを分析し、設備の改善や保全計画に活用したい
◆モニタリングの考え方
モニタリングを従来の定期記録・管理・報告という業務としてとらえるのではなく、
異常状態が発生したら、故障である・ないにかかわらず警報アラートを発報してくれるようにロガーに任せ、異常発生時に初めてデータ吸上げ・兆候の分析を行うというように、記録をあえてしない「何もなければ何もしない」という考え方から、監視システムを構築したいと考えます。
これらの課題の中から、自社の課題やニーズに合致するものを明確にすることが最適なシステム導入の第一歩となります。
システム選定
回転機のモニタシステムには様々な種類があり、それぞれに特徴があります。自社のニーズに最適なシステムを選ぶことが、導入効果を最大限に引き出す鍵となります。具体的な選定ポイントとしては、以下の点が挙げられます。
例えば、監視項目として振動、温度、圧力などを総合的に判断する必要があるのか、あるいは特定の項目に絞って監視すればよいのかといった点も検討が必要です。
また、システムの導入は既存の設備やシステムとの連携も考慮する必要があります。既存システムとの互換性や、データの統合方法などを事前に確認しておくことが重要です。
さらに、システムの運用体制についても検討が必要です。自社で運用を行うのか、あるいは外部に委託するのかなど、運用方法によって必要な人員やコストが異なってきます。
このように、システム選定においては自社のニーズ、状況に合わせて多角的な視点から検討することが重要です。
導入効果の測定
回転機械のモニタリングシステム導入の効果測定を行ううえで重要な指標は、「投資対効果」です。システム導入は初期費用や維持費用などのコストが発生する一方、リスク低減による損失抑制や生産性向上などのメリットも生み出します。重要なのは、これらのコストと導入メリットを比較し、投資に見合った効果が得られるかどうかを判断することです。
費用対効果を算出する際には、以下の項目を検討します。
◆人件費削減効果
従来の保全作業にかかっていた工数をどの程度削減できるかを分析します。
◆設備の長寿命化
適切な状態監視と予防保全によって、設備の寿命をどの程度延ばせるかを試算します。
◆損害賠償リスク低減効果
重大な事故を未然に防ぐことで、損害賠償や風評被害などのリスクをどの程度抑制できるかを評価します。
これらの項目を定量化し、コストと比較することで、導入による費用対効果を明確化できます。
お客様の課題解決に向けて最適なソリューションをご提案
日設機電検収技術合同会社は、現場実験をベースに手作り志向のご提案をさせていただくメンテナンス会社です。小規模ではありますが、現場調査から実験・モデリングによる効果の予測、実装による検証について定評をいただいております。
機械・装置の運転データモニタリングでは、機械の運転データ以外に回転機械の定期整備用モニタリング(センタリング装置・水平レベル計測装置)、調整業務の演習用モニタリング(ダイナミックバランス演習、PID調整演習などのシミュレータ)など、あらゆるセンサーを活用して、現場業務省力化・自動化に活用できる簡易計測技術についてご提供するとともに、皆様との情報交換による計測ニーズを追究してまいりたいと考えております。
お客様のニーズに柔軟に対応いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。